自然災害リスクとは

ジオサン技術士事務所

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自然災害リスクとは

当事務所で行う主な宅地の評価内容をご紹介

①土石流や斜面崩壊等の土砂災害

①土石流や斜面崩壊等の土砂災害

山地や斜面は時と共に風化し脆くなり、重力と雨や地震の影響で崩れ低い場所に移動します。自然の摂理です。その移動場所に人家等があれば土砂災害が発生します。移動の手段としては、斜面崩壊(がけ崩れ)、土石流、地すべりがあげられます。ここでは大きな被害が出やすい土石流を取り上げ説明します。

土石流とは山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象です。巨大な礫を含み時速20~40kmという速度で流れ下るため、一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまいます。

土砂災害
土石流

事例

土石流と言えば2018年7月の戦後最大の豪雨災害、通称「西日本豪雨災害」があげられます。土砂災害による死者は、8府県で119人、特に広島県で甚大な被害が出ました。広島県では2014年にも土石流により大きな被害が出ています。

広島特有の問題なのでしょうか?

2017年以前10年間の全国の土砂災害発生件数は平均して1年間におよそ1,100件。そのうち300件程度が土石流です。それはどの地域においても発生しています。どこの地域の斜面でも、その許容量を超えた雨が降れば土石流が発生し、影響範囲に人家等があれば被災すると考えるべきです。

どんな場所が危ないか

土石流の多くは山腹斜面の崩壊に始まり、崩壊土砂が渓流内の多量の水や土石を巻き込み流動化し流れ下ります(河床勾配20度以上)。そして、谷から出て河床勾配が8度を下回ると堆積が始まり扇状地を形成します。そして、3度以下で水と土石が分離して停止します。そのため、土石流の流下範囲が危険となります。

長いタイムスケールで考えると、山地の斜面は全て崩壊により浸食・形成されたと言っても間違いではありません。水による浸食は谷底ぐらいで、そこは土石の移動区間でもあります。谷の出口には数限りない崩壊と土石流により堆積・形成された扇状地が広がります。山を見上げてそこに沢や谷があれば、それは大小を問わず崩壊・浸食されたものであり、そこにあった岩石は下方に移動したことになります。

一方、1回の土石流が扇状地全面を覆いつくすことは稀です。そのため扇状地内においても次に発生する土石流に対して相対的に安全なところと危険なところがあるのです。

土石流の発生頻度は数10年~数1000年に1回と幅が広く、地質や谷の規模などにより異なります。比較的頻度の高い花崗岩地域でも100年に1回程度の場合が多く、「ここに住んで60年になるが土砂災害など一度もなかった。」という言葉に何の重みもありません。

ハザードマップでは

国土交通省ハザードマップポータルサイト

では日本全国の「土砂災害警戒区域・特別警戒区域」を見ることができ、災害リスクの目安になります。

その区域は県などが1/2,500 地形図を用い現地調査を行い、土砂災害のおそれがある箇所を土砂災害 防止法に基づき区域指定したものです。その精度は上がってきてはいるものの、年代や場所(調査したコンサルタント)により品質にかなりばらつきがあります。中には微地形を無視して画一的な扇状をあてはめただけといえるものもあります。

指定が完了した都道府県は平成31年2月現在14府県のみです。今後速やかな調査・指定と、低品質のものの見直しが進むことを期待します。

留意点

地質的に土石流堆積物が分布している範囲は、過去に土石流が到達しているので、今後同じような自然現象が起こる可能性があり、新たに居住するには適していません。ただしその中でも微地形を考慮するとリスクにかなり差があることが分かります。また道路や建物等人工改変によりリスクもかなり変わってきます。お住まいの方はそのことを考慮して対策・避難計画を立てましょう。

一方、谷の上流にため池が造られているところが多くあります。その殆どはこれまでに巨大地震や100年確率の豪雨を経験していません。それが決壊した場合はこれまで自然が経験したことのない範囲まで土石流が広がる可能性があります。

②川の氾濫等の水害

②川の氾濫等の水害

河川は通常周囲より低い河川敷を流れていますが、増水するとそれを超えて、周囲の平坦地(氾濫原)に溢れ出します。それが洪水です。洪水により河川は流路を変え土砂を堆積させ沖積平野を形成していきます。この肥沃な沖積平野で農耕を始め都市を作り始めると洪水が水害となり、河川を固定した流れに閉じ込める工夫(治水)がなされるようになりました。

治水設備が発達した現在の日本では、洪水の頻度が激減し通常の降雨では安全に暮らしていけます。一方で想定を超えた降雨にみまわれると大規模な水害が発生する場合があります。

水害には、河川の水が計画高水位を超えたり堤防が決壊したりしてあふれ出す『外水氾濫』と、降水が都市部や農地など河川以外の場所で排水不良の場合に発生する『内水氾濫』があります。それぞれ異なった特性がありリスクや対処方が異なります。

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事例

2018年7月の戦後最大の豪雨災害、通称「西日本豪雨災害」では、土砂災害と同時に洪水による被害も甚大でした。倉敷市真備町では小田川と支流の高馬川などの堤防が決壊し、外水氾濫で真備町だけでも51人が死亡しました。

2000年9月の東海地方の豪雨では大規模な内水氾濫が発生し、愛知県下の浸水家屋数は6万4千棟に達しました。内水氾濫はゆっくりとした浸水で,人命への危険は小さいのですが,浸水戸数が多くなる と被害額が巨額になります。

どんな場所が危ないか

人間が治水工事を行う前に洪水を繰り返していた地域(洪水氾濫原)は、洪水のリスクはあると考えます。

  • 外水氾濫の場合: まずは治水計画とその達成度合い(ダム、堤防、遊水池等)を知り、それを考慮したうえで、どこがネックとなり越流しやすいか、破堤が生じやすいか、氾濫流はどう流れるかを考え検討する必要があります。その上で微地形を考え被害を想定します。平野部の大河川の場合は、通常氾濫まで時間的余裕があり、浸水深さも予め想定できるため、訓練を重ねれば避難行動は比較的取りやすいと言えます。一方、山地河川の洪水の場合、急激に水位が上がり氾濫流の流速が早く、避難行動は難しいと言えます。
  • 内水氾濫の場合: 内水氾濫が生じやすい場所は、もともと排水条件の悪い凹地のような地形のところで、大雨時に雨水が滞留して遊水地となり、周辺の浸水を防いでいた場所でもあります。地形的には、平野のより低い個所である後背低地・旧河道・旧沼沢地、砂州・砂丘によって下流側が塞がれた海岸低地や谷底低地、昔の潟を起源とする凹状低地などがあります。また、市街地化の進んだ丘陵・台地内の谷底低地、台地面上の凹地や浅い谷、地盤沈下域、ゼロメートル地帯、干拓地などがあります。これらは空中写真や古地形図を解析し現地で確認すれば分かります。

ハザードマップでは

国土交通省ハザードマップポータルサイト

では日本全国の「洪水浸水想定区域」を見ることができます。これには「計画規模」と「想定最大規模」の2種類があります。最悪の場合を考慮すると「想定最大規模」の方が参考になるのですが、全ての河川を網羅しておらず、ここの表示がない場合は「計画規模」を見ることになります。

しかし両者とも、シミュレーションの実施にあたっては、支川の氾濫、シミュレーションの前提となる降雨を超える規模の降雨、高潮及び内水による氾濫等を考慮していません。そのため、支川や山地河川の外水氾濫や内水氾濫の一部は表示されていません。表示がないからといって浸水リスクがないというわけではありません。

留意点

近年降雨観測や降雨予測の技術が上がり、大河川では洪水になる前に多くの情報が発信され、備えたり避難することがある程度可能です。一方、中小河川や山地河川では情報そのものが少なく、あっても間に合わない場合殆どです。そのような場所では微地形によりリスクが大きく異なる場合が多く、避難路・避難場所を含め戸別にどう行動するか検討することがベストです。内水氾濫も同様です。

③地震による家屋や擁壁の倒壊

③地震による家屋や擁壁の倒壊

地震による建築物の被害は、地震動の強さや性質と、建築物の強さ(耐震性)によりほぼ決定されます。ここでは建物の耐震性については触れないので、地盤の揺れについて考えてみます。

ある場所における震動の強さを示すものとして『震度』があります。一般に用いられている気象庁震度は、揺れの強さを0~7に区分し、とくに5と6については強と弱に細区分して、10階級表示されます。建物に被害が発生し始めるのは震度5強からで、6になると被害が急速に大きくなります。

地震動の強さを決める主な要因には、地震そのもの大きさ〔マグニチュード(M)〕、震源からの距離およびその場所の地盤条件があります。とくに軟弱地層域では地震動が大きく増幅されて被害が著しくなります。地下地質構造が、地震波の屈折・反射を通じて地震動の局地的増幅を引き起こすこともあります。

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事例

内陸型直下地震である1995年の阪神・淡路大震災では、震源地から離れた六甲山地の南側、神戸須磨区あたりから西宮市までの約20Kmの帯状の地域で震度7の激しい揺れが記録されました(震災の帯)。この原因は、地震基盤(硬い岩盤)から、その上に厚く堆積した堆積層(柔らかい地盤)中を地表に向けて地震波が伝わる過程で増幅されたものと考えられます。

1891年の濃尾地震でも沖積層が厚くて地盤条件のとくに悪いところでは,震央から50kmも離れたところで全壊率が80%を超える町村があったことが分かっています。

どんな場所が危ないか

震源からの距離が同じ場合、硬い岩盤よりも地震波速度の遅い柔らかい地層の方が地震動が増幅され被害が大きくなります。そのような場所は三角州など厚い沖積層が堆積している場所で軟弱地盤が広がります。

また、地盤には地震波に対して固有周期があり、建物にも揺れやすい固有周期があり、重なれば共振します。地盤の固有周期は、岩盤0.1秒、洪積層0.2~0.3秒、沖積層0.4~1.0秒、埋立地・沼地1.0秒以上、などです。建物の固有周期は構造や高さによって異なり、一般の木造住宅0.3~0.6秒、10階建鉄筋コンクリートビル0.8秒前後、10階建鉄骨ビル1.2秒程度などで、高い建物ほど固有周期は長くなりゆっくりと揺れます。このため、共振し揺れが大きくなる建物は地盤により異なります。

ハザードマップでは

地震による建物被害を検討した全国を網羅したハザードマップはありません。軟弱地盤に古い木造住宅が密集している地域などリスクが高いと思われますが、ここでは地震動に見舞われる確率マップを紹介します。国立研究開発法人 防災科学技術研究所では『今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率』を公開しています。

http://www.j-shis.bosai.go.jp/maps-pshm-prob-t30i55

震度6弱以上とは、建物の被害が急増する震度のことです。耐震性の低い建物は倒壊する可能性があります。どの地域でもそれに備える必要があるということです。

留意点

ここでは建物の耐震性については触れていませんが、実際の『宅地の自然災害のリスク調査』では考慮します。特に周辺の建物については、1981年の新耐震基準以前の建物かどうかが判断基準の一つになります。

④地震による地盤の液状化現象

④地震による地盤の液状化現象

地盤の液状化とは、地下水位の高い砂の地盤に強い地震動が加わると、地層自体が液体状になる現象のことです。 液状化が生じると、砂の粒子が地下水の中に浮かんだ状態になり、水や砂を吹き上げます(噴砂現象)。そして、建物を支える力も失われ、比重の大きいビルや橋梁は沈下したり、比重の小さい地下埋設管やマンホールなどは浮力で浮き上がったりします(抜け上がり現象)。やがて、水が抜け去ると、砂は締めかたまり、もとの状態かもう少ししまった状態になって、支持力を回復します。

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事例

液状化現象自体は昔から発生しており、遺跡にもその痕跡が認められます。1964年6月16日の新潟地震では県営アパートが倒れ、新潟空港の滑走路が液状化現象によって冠水し、一般に知られるようになりました。1995年1月17日の阪神淡路大震災でも液状化現象は問題になり、海を埋め立ててできた神戸市のポートアイランドで広範囲な液状化現象が発生しました。2011年3月11日の東日本大震災では、震源から遠く離れた東京湾沿岸を中心に大規模な液状化現象が発生しました。

どんな場所が危ないか

液状化が発生しやすい場所は、地下水位の高いゆるく堆積した砂地盤などで、例えば、埋立地、干拓地、昔の河道を埋めた土地、砂丘や砂州の間の低地などがあげられます。海沿いの低湿地で発生しやすいと思われていますが、条件を満たせば内陸の平野部でも発生します。

ハザードマップでは

液状化のハザードマップは各市町村が作成しています。国土交通省ハザードマップポータルサイトの『わがまちハザードマップ』でそれを見ることができます。

地盤被害(液状化)マップ公開状況

留意点

ハザードマップは大都市や液状化現象が広範囲に予測される範囲ではほぼ作成されています。一方、内陸の小規模なもの、埋積谷や池や小河川の埋め立て、谷埋め盛土などは、公開されている地域においても考慮されていません。『宅地の自然災害のリスク調査』では一戸一戸それを確認し評価します。

⑤地震時の盛土造成地の地すべり

⑤地震時の盛土造成地の地すべり

宅地造成を行う時、なるべく平坦に仕上げるため、尾根を削りその土を谷に埋めます。この谷を埋めた盛土造成地が動く現象を『盛土造成地地すべり』または「谷埋め盛土地すべり」といいます。規模の大きな地震が発生した場合、必ず「盛土造成地地すべり」が発生し住宅地に大きな被害をもたらします。

この現象は、1978年宮城県沖地震で確認され、兵庫県南部地震や新潟県中越地震で多発しました。それを受けて、京都大学防災研の釜井教授が詳しく研究され、技術者が危険性を訴え、平成18年に「宅地造成等規制法」が改正されました。しかしそれは有効に活用されず、東日本大震災や熊本地震・北海道胆振東部地震で被害が多発した経緯があります。

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事例

上の写真は、東日本大震災で、大きく崩れ落ちた盛土造成地です(太田ジオ写真提供)。東日本大震災ではこのような盛土造成地の被害が広範囲に多発しました。仙台市では250ヶ所程度の地すべりが発生し5000箇所以上の宅地に被害が発生しました(崖崩れも含む)。2018年の北海道胆振東部地震では、谷を埋めた盛土造成地が液状化して地すべりが発生し、約50戸の宅地に大きな被害が発生したことは記憶に新しいところです。

どんな場所が危ないか

どんな場所が危ないかを考える前に『盛土造成地地すべり』の問題点を考えます。

これまでの経験から以下のことが分かります。

 ①盛土の変動は震度6弱以上で発生

 ②震度6弱以上で谷埋め盛土が変動し被災する確率は40~70%(阪神淡路での実績)

そのため、盛土でなければ安心ですが、盛土の場合実績としてその約半分は危険ということになります。どの盛土が危険かは、調査により盛土の形状等が分かれば計算により判断できます。

次に問題となるのは

 ③住民が盛土の危険性を知らない

ということです。 川のそばに住んでいる人は、雨が降れば川の状況が気になりますし、避難することもできます。 崖の下や急斜面の上に住んでいる人は、人に言われなくても何となく危険ということは感じていると思います(心構えがある?)。

一方、大規模造成地の人々は、同じように見える住宅地の中に危険な場所が隠れているとは夢にも思っていません。しかし大きな地震が起これば、盛土の自宅は全壊し、道を挟んだお隣さんは切土地盤で無被害ということが普通に起こる可能性があるのです。まさに不意打ちとなります。

ハザードマップでは

前述したように、平成18年に「宅地造成等規制法」が改正され、国は都道府県や市町村に対し、地震時に滑動崩落の可能性がある大規模盛土造成地について調査を行い、「大規模盛土造成地マップ」として公表することを求めています。しかし、平成30年11月現在の全市区町村の公表率は65.9%に留まっています。

国土交通省大規模盛土造成地マップの公表状況等について

公表していても問題はその品質です。横浜市など熱心に取り組み比較的精度のいいマップを公開している自治体がある一方で、形状が大雑把すぎたり抽出もれが限りなく多い自治体も多く、戸々の宅地を評価する場合に使用に耐えないものが多数あります。

留意点

盛土は一種の免振構造でもあり、盛土の先端を除けば家が倒壊することは稀で、死ぬことは少ないといえます。しかし、家は壊れなくても地盤が動いて、全壊認定されれば住むことはできません。日本は私有財産制の国なので、個人財産に関わる損失補償・個人補償は原則行われません。被災者生活再建支援法(2007)による支援金として、全壊100万円+再建する場合200万円(宅地に対する補償なし)+自治体独自の制度もありますが、後は自己責任・自己負担となります。

被災する確率が高いのに殆どの人がそのリスクを知らず、リスクは調査をすれば容易に分かることから、『盛土造成地地すべり調査』は、宅地購入の際には必須の調査項目といえます。

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⑥津波・高潮災害

⑥津波・高潮災害

津波は、海底の隆起・沈降などにより、その周辺の海水が上下に変動することによって起こる現象です。主に地震によって発生しますが、海底地すべりや火山活動によっても発生します。津波は波浪と違って海底から海面までの全ての海水が動きます。そのため、波長は数㎞から数百㎞と非常に長く、海水が巨大な水の塊となって沿岸に押し寄せます。波の進行速度は水深が深いところほど速く、水深が浅くなるほど遅くなるという性質があるため、津波が陸地に近づくにつれ、後から来る波が前の波に追いつき、波が高くなります。また、湾部の地形では津波が行き場を失い、湾奥で集中して津波の高さが局所的に高くなる場合があります。

地震が発生してから津波が襲来するまでの時間は、地震のタイプや震源場所によって異なります。発生から数分で到達する場合もあるので、大きな揺れを感じたら津波警報などの情報を待つこと無く「地震=津波」と考え避難行動をすることが大切です。また、自宅から離れた場所で地震が起きた場合、自宅は揺れていなくても、津波が襲来することがあります。その場合は警報が出るので情報に注意しましょう。

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事例

津波は繰り返し発生する通常の自然現象です。内陸部に分布する津波堆積物の研究を行うとそのことがよく分かります。海溝型地震に限ればその発生頻度はある程度分かってきましたが、発生域がたくさんあるため、日本海側を含め常に津波が来るという前提で備えなければいけません。

最近発生した津波災害は以下のものがあります。

 2004年12月26日 2004年スマトラ島沖地震 Mw9.3。津波死者22万人。

 2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震 Mw9.0。津波で約2万人死亡、最大遡上高は40.1 m

どんな場所が危ないか

危険な場所はシュミレーションにより「津波浸水想定」がなされています。一般的には山が海に迫ったリアス式海岸などでは、遡上高が高くなる傾向がありますが、避難できる高台が近くにあり、早い非難が可能になるともいえます。一方、広い海岸平野部では、避難に適した高台が近くにない場合が多く、避難ビルなどが重要になります。また、近くに河川がある場合、津波は海からではなく河川側から迫ってくることを想定しなくてはなりません。

ハザードマップでは

国土交通省ハザードマップポータルサイト

では日本全国の「津波浸水想定」を見ることができます。

これと同時に地震発生から津波到達時間を知っておく必要があります。

南海トラフ地震の津波の高さと到達時間の予想

留意点

どうしても津波の規模が大きく到達時間の早い太平洋側に注目が行きますが、標高の低い都市部も要注意です。襲来まで時間的余裕はあるように感じますが、防潮施設の老朽化や地震による倒壊、閉門が間に合わない等、比較的小さな津波でも浸水する可能性があります。津波被害の報道に釘付けになって逃げ遅れることのないように、常に危機意識をもって行動しましょう。

⑦火山灰・火山泥流等の火山災害

⑦火山灰・火山泥流等の火山災害

わが国には第四紀(約260万年前から現代まで)に生成した火山が400以上あり、そのうち1万年以内に噴火した火山は111で、それを活火山と呼んでいます。活火山については、気象庁、大学、国土地理院、その他の研究機関による監視、観測が行われています。
火山は時として大きな災害を引き起こします。災害の要因となる主な火山現象には、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、小さな噴石・火山灰、土石流、火山ガス等があります。

専門家としてアドバイスしたいことがたくさんありますが、ここは宅地の話なのでごく簡単に示します。

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事例

戦後最悪の火山災害は、2014年の御嶽山噴火です。そこでは火口付近にいた登山者58人が犠牲となりました。それでは多くの一般住民が犠牲になった火山災害を以下に示します。

1926年5月24日 十勝岳 融雪型火山泥流(大正泥流)により死者144人

1914年1月12日 桜 島  噴火・地震(大正大噴火)により死者59人

1888年7月15日 磐梯山 岩屑なだれにより村落埋没 461人死亡

1792年5月21日 雲仙岳 地震及び岩屑なだれにより死者約15,000人

この雲仙岳の災害は「島原大変肥後迷惑」と語り継がれています。

どんな場所が危ないか

いくつかの火山では火山ハザードマップが作成されており、その火山についてはそれを活用しましょう。ただしこれらのマップは既往の火口等想定された場所での噴火を基にしています。2018年の草津白根山の噴火ではこれまで警戒していなかった場所から噴火(水蒸気爆発)しました。そのため、今後はそのような場所につても検討する見直しが始まっています。

火山から離れた場所に住んでいる人には、火山災害は関係ないと思われますが、1707年12月の富士山の噴火(宝永大噴火)では江戸に数cmの降灰がありました。現在同様な噴火が発生した場合、周辺で1メートル以上、首都圏でも数センチから10センチ余りの火山灰が積もり、交通機関やライフライン、健康などに甚大な影響が出ると想定されます。

ハザードマップでは

防災科学技術研究所の「火山ハザードマップデータベース」では、1983年から現在に至るまでに日本で公表された活火山のハザードマップや防災マップを見ることができます。

http://vivaweb2.bosai.go.jp/v-hazard/HMlist.html

今後は火山周辺のみではなく、降灰に伴う広域のハザードについての検討・公開が必要です。

留意点

1950年以降、M9クラスの地震は世界で7回起きています。そのうち6つの地震では4年以内に近隣の複数の火山が噴火しています。残る例外は東日本大震災だけです。今後富士山の噴火は必ず起こりますので、個人も社会もそれを見通した戦略が必要です。

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