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松ヶ丘通り擁壁危険個所について 市への要請書を提出してきました
私の所属している『NPO法人 市民の輪いこま』の理事長が私の指摘した危険個所について、歩道通行止めの看板はあるものの実際多くの人が歩道を通り、危険個所では歩道から車道にはみ出して通行され非常に危険であると心配されています。そのため、手前の横断歩道からの歩道の通行止めを徹底して、皆が道路を渡り西側の歩道を通行してもらえるような処置をお願いするため、市に要請書を作成されました。
私はこれまでその都度情報発信はしてきましたバラバラでまとまっておりません。今回それに新情報を加え、この危険個所のこれまでの経緯と、変状進行状況、危険斜面の状況をまとめて添付しました。これは現状について、私・NPO・市役所の各部署・市長が情報共有することが大事と考えたからです。
今日は建設部管理課で話を聞いてもらいました。管理課には最初に指摘した7/14から随時対応はして頂いております。要請の内容については理解して頂き、検討してできることから進めて頂けるそうです。
今回の要請とは別に、一番危険な石垣に簡単なラス(金網)をかぶせるだけでも(ブルーシートだけでも)崩れた時の人災はかなり防げると思いますが、崩壊危険個所は民有地であり、崩壊するまでは触ることができないので難しいようです。
以下要請書の内容です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2019年7月30日
生駒市長 小紫雅史様
NPO法人 市民の輪いこま
理事長 高比良 啓子
生駒市俵口町987-12
道路危険防止措置のお願い
拝啓
生駒市の発展と市民の生活向上にご尽力いただきお礼申し上げます。
私達の生活道路である松ヶ丘通りの擁壁が非常に危険な状態にあり、いつ崩落してもおかしくない状況が見られます(写真-1)。生駒市はその個所の歩道を通行止めにし、危険掲示をしていただいておりますが、歩道を通る多くの方がロープの張られた危険個所では歩道から車道にはみ出して通行されています(写真-5~8)。この箇所は道路幅が狭く交通量の多い車道であり大変危険です。このままでは交通事故の発生が懸念されます。
これは、この歩道の北から南に歩いてきた人が危険個所で通行止めに会い、やむを得ず車道に出て歩くことになるためです。そこで、この歩道全体を通行止めにしていただくようにお願いしたいと存じます。そうすれば北からの歩行者はこの歩道の北の端で横断歩道を通って西側の歩道に渡り、危険個所を通過することなく生駒駅方向に行くことができ、安全は確保されます。その場合には立て看板を目立つところに設置してください。
以上は当面の交通制限措置ですが、この擁壁自体がこれまでの雨や今後の台風による大雨、地震等によって崩壊する恐れがありますので、通行止めだけではなく、直ちに崩壊防止の応急措置を講じていただきますようお願い致します。
敬具
尚、当会会員でもあり、生駒市在住の防災の専門家であるジオサン技術士事務所 代表 西村貢一氏のお話しを紹介させていただきます。西村氏提供の写真も添付します。
生駒駅の北側、松ヶ丘通りの危険な石積み擁壁について
1.経緯
生駒駅の北側、松ヶ丘通りに非常に危険な擁壁を発見したのは2019年7月14日です。久しぶりに明るい時間にここを通ると、空石積擁壁(石を積み上げただけの擁壁)が背後の盛土の押し出しにより、極度に開口・変形していることが目に留まりました(写真-1)。以前から変状の多い危険な擁壁でしたが、ここまで変状が進行していなかったと思います。
バールでこじれば容易に崩壊すような状態です。イメージとしては震度4程度の地震や、50mm/h程度の雨が続くと崩壊しそうな状態です。
人家の裏山であれば注意してくださいね!で済みそうですが、ここは市内でも最も人通りの多い道路の一つです。その上、この危険な石積み擁壁はコンクリート擁壁の上に継ぎ足したものであり、崩壊すると人を上方から直接襲います。もちろん既存不適格擁壁です。
そのため、東松ヶ丘自主防災会会長を直接訪ね、現地で状況を説明し、市役所に至急報告するようにお願いしました。もし市がすぐに対応しなければ人命に係わることなので警察に連絡するようにとも。
その日は休日にも関わらず市の担当者が確認に来て下さり、その後何回か東松ケ丘自治会長も参加し話し合いがもたれ、現在に至っています。
2.変状進行状況
私は7/15~19、7/22~26は不在でしたので、15日の早朝と20日、27日に現地を少し確認しました。Google Mapのストリートビューが昨年の10月時点に撮影されたものだったので、それを含め擁壁の状況を時系列に示します(写真-2,3,4)。
約9か月前の2018年10月の時点で、この石積擁壁に緩みや開口が認められます(写真-2)。私は以前から危険な擁壁と認識していたものの行動に出ていなということは、まだ許容範囲内だったと思います。
2019年7月14日にこの擁壁を見たときは、極度に開口・変形しており崩壊寸前と判断しました。写真を比べても明らかに変状が進行していることが分かります(写真-3)。ここで東松ヶ丘自主防災会会長を通じ市へ報告するようにお願いしました。また、SNSを通じ市民へも情報発信を行い、注意喚起と反対側の歩道を通るようにお願いしました。
2019年7月20日。簡単な踏査を行いましたが、大きな変状の進展は認められませんでした。
2019年7月27日。私が不在の間かなり強い雨が降ったようで、擁壁のはらみ出しや開口幅も拡大しました(写真-4)。極めて危険であり崩壊は時間の問題と考えられます。
3.危険斜面の状況
「この危険な斜面は奈良県指定「生駒市東松ケ丘(001)急傾斜地崩壊警戒区域・特別警戒区域」にほぼ相当します(図-2に示す土砂災害警戒区域図 参照)。その中で竹藪の斜面とその北側の高い石積擁壁は切土の急傾斜地で、大坂層群の砂層・シルト層が露出しています(写真-12)。ここでは表層崩壊や石積の崩壊が懸念されます。 その斜面の北側と南側に低い石積擁壁が連なる斜面が存在します。この斜面は元々大阪層群の分布する自然斜面であり、大きく崩壊する可能性は低い比較的安定した斜面です。その斜面の下部や中段に石積擁壁による比較的小規模な盛土(片盛土)が造成されており、そこが非常に不安定化しています(写真-13)。擁壁が背後の盛土に押され、はらみ出し開口が進行しています。盛り土は砂やシルトでありその量も比較的少ないものの、崩壊した場合擁壁を構成している石垣が歩道に崩落し、歩行者を襲い非常に危険です。もちろん車両も危険です。 通常表層崩壊等は地下水の挙動が非常に重要となります。ここの場合、写真-14に示すように変状の著しい崩壊寸前危険個所は、斜面上部の表流水が集中する箇所に当たります。そのうえ斜面上部の台地からの排水溝もありオーバーフローが懸念されます。
台風の影響で時間雨量20mm程度と考えられる比較的強い雨が降った7/27午後、現地を確認しました。そこでは表流水や排水溝のオーバーフローは認められなかったものの、上の擁壁にもはらみ出しや開口等変状が激しく、一部崩落していることが確認できました(写真-15)。
このことから、長雨の影響よりも、表流水が発生したり排水溝のオーバーフローが発生する程度の集中豪雨が引き金になって、擁壁の崩壊が発生する可能性が非常に高いと考えられます。また、小さな地震や大型車の通行に伴う振動でも危険と言えます。 今後の集中豪雨や台風に伴う豪雨が心配です。
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ジオサン技術士事務所
代表 西村 貢一 (Koichi NISHIMURA)
技術士(応用理学)、APECエンジニア、防災士
〒630-0244奈良県生駒市東松ヶ丘4-46 B201
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私の所属している『NPO法人 市民の輪いこま』の理事長が私の指摘した危険個所について、歩道通行止めの看板はあるものの実際多くの人が歩道を通り、危険個所では歩道から車道にはみ出して通行され非常に危険であると心配されています。そのため、手前の横断歩道からの歩道の通行止めを徹底して、皆が道路を渡り西側の歩道を通行してもらえるような処置をお願いするため、市に要請書を作成されました。
私はこれまでその都度情報発信はしてきましたバラバラでまとまっておりません。今回それに新情報を加え、この危険個所のこれまでの経緯と、変状進行状況、危険斜面の状況をまとめて添付しました。これは現状について、私・NPO・市役所の各部署・市長が情報共有することが大事と考えたからです。
今日は建設部管理課で話を聞いてもらいました。管理課には最初に指摘した7/14から随時対応はして頂いております。要請の内容については理解して頂き、検討してできることから進めて頂けるそうです。
今回の要請とは別に、一番危険な石垣に簡単なラス(金網)をかぶせるだけでも(ブルーシートだけでも)崩れた時の人災はかなり防げると思いますが、崩壊危険個所は民有地であり、崩壊するまでは触ることができないので難しいようです。
以下要請書の内容です。
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2019年7月30日
生駒市長 小紫雅史様
NPO法人 市民の輪いこま
理事長 高比良 啓子
生駒市俵口町987-12
道路危険防止措置のお願い
拝啓
生駒市の発展と市民の生活向上にご尽力いただきお礼申し上げます。
私達の生活道路である松ヶ丘通りの擁壁が非常に危険な状態にあり、いつ崩落してもおかしくない状況が見られます(写真-1)。生駒市はその個所の歩道を通行止めにし、危険掲示をしていただいておりますが、歩道を通る多くの方がロープの張られた危険個所では歩道から車道にはみ出して通行されています(写真-5~8)。この箇所は道路幅が狭く交通量の多い車道であり大変危険です。このままでは交通事故の発生が懸念されます。
これは、この歩道の北から南に歩いてきた人が危険個所で通行止めに会い、やむを得ず車道に出て歩くことになるためです。そこで、この歩道全体を通行止めにしていただくようにお願いしたいと存じます。そうすれば北からの歩行者はこの歩道の北の端で横断歩道を通って西側の歩道に渡り、危険個所を通過することなく生駒駅方向に行くことができ、安全は確保されます。その場合には立て看板を目立つところに設置してください。
以上は当面の交通制限措置ですが、この擁壁自体がこれまでの雨や今後の台風による大雨、地震等によって崩壊する恐れがありますので、通行止めだけではなく、直ちに崩壊防止の応急措置を講じていただきますようお願い致します。
敬具
尚、当会会員でもあり、生駒市在住の防災の専門家であるジオサン技術士事務所 代表 西村貢一氏のお話しを紹介させていただきます。西村氏提供の写真も添付します。
生駒駅の北側、松ヶ丘通りの危険な石積み擁壁について
1.経緯
生駒駅の北側、松ヶ丘通りに非常に危険な擁壁を発見したのは2019年7月14日です。久しぶりに明るい時間にここを通ると、空石積擁壁(石を積み上げただけの擁壁)が背後の盛土の押し出しにより、極度に開口・変形していることが目に留まりました(写真-1)。以前から変状の多い危険な擁壁でしたが、ここまで変状が進行していなかったと思います。
バールでこじれば容易に崩壊すような状態です。イメージとしては震度4程度の地震や、50mm/h程度の雨が続くと崩壊しそうな状態です。
人家の裏山であれば注意してくださいね!で済みそうですが、ここは市内でも最も人通りの多い道路の一つです。その上、この危険な石積み擁壁はコンクリート擁壁の上に継ぎ足したものであり、崩壊すると人を上方から直接襲います。もちろん既存不適格擁壁です。
そのため、東松ヶ丘自主防災会会長を直接訪ね、現地で状況を説明し、市役所に至急報告するようにお願いしました。もし市がすぐに対応しなければ人命に係わることなので警察に連絡するようにとも。
その日は休日にも関わらず市の担当者が確認に来て下さり、その後何回か東松ケ丘自治会長も参加し話し合いがもたれ、現在に至っています。
2.変状進行状況
私は7/15~19、7/22~26は不在でしたので、15日の早朝と20日、27日に現地を少し確認しました。Google Mapのストリートビューが昨年の10月時点に撮影されたものだったので、それを含め擁壁の状況を時系列に示します(写真-2,3,4)。
約9か月前の2018年10月の時点で、この石積擁壁に緩みや開口が認められます(写真-2)。私は以前から危険な擁壁と認識していたものの行動に出ていなということは、まだ許容範囲内だったと思います。
2019年7月14日にこの擁壁を見たときは、極度に開口・変形しており崩壊寸前と判断しました。写真を比べても明らかに変状が進行していることが分かります(写真-3)。ここで東松ヶ丘自主防災会会長を通じ市へ報告するようにお願いしました。また、SNSを通じ市民へも情報発信を行い、注意喚起と反対側の歩道を通るようにお願いしました。
2019年7月20日。簡単な踏査を行いましたが、大きな変状の進展は認められませんでした。
2019年7月27日。私が不在の間かなり強い雨が降ったようで、擁壁のはらみ出しや開口幅も拡大しました(写真-4)。極めて危険であり崩壊は時間の問題と考えられます。
3.危険斜面の状況
「この危険な斜面は奈良県指定「生駒市東松ケ丘(001)急傾斜地崩壊警戒区域・特別警戒区域」にほぼ相当します(図-2に示す土砂災害警戒区域図 参照)。その中で竹藪の斜面とその北側の高い石積擁壁は切土の急傾斜地で、大坂層群の砂層・シルト層が露出しています(写真-12)。ここでは表層崩壊や石積の崩壊が懸念されます。
その斜面の北側と南側に低い石積擁壁が連なる斜面が存在します。この斜面は元々大阪層群の分布する自然斜面であり、大きく崩壊する可能性は低い比較的安定した斜面です。その斜面の下部や中段に石積擁壁による比較的小規模な盛土(片盛土)が造成されており、そこが非常に不安定化しています(写真-13)。擁壁が背後の盛土に押され、はらみ出し開口が進行しています。盛り土は砂やシルトでありその量も比較的少ないものの、崩壊した場合擁壁を構成している石垣が歩道に崩落し、歩行者を襲い非常に危険です。もちろん車両も危険です。
通常表層崩壊等は地下水の挙動が非常に重要となります。ここの場合、写真-14に示すように変状の著しい崩壊寸前危険個所は、斜面上部の表流水が集中する箇所に当たります。そのうえ斜面上部の台地からの排水溝もありオーバーフローが懸念されます。
台風の影響で時間雨量20mm程度と考えられる比較的強い雨が降った7/27午後、現地を確認しました。そこでは表流水や排水溝のオーバーフローは認められなかったものの、上の擁壁にもはらみ出しや開口等変状が激しく、一部崩落していることが確認できました(写真-15)。
このことから、長雨の影響よりも、表流水が発生したり排水溝のオーバーフローが発生する程度の集中豪雨が引き金になって、擁壁の崩壊が発生する可能性が非常に高いと考えられます。また、小さな地震や大型車の通行に伴う振動でも危険と言えます。
今後の集中豪雨や台風に伴う豪雨が心配です。
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技術士(応用理学)、APECエンジニア、防災士
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